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未払い退職金請求

退職金が支給されない退職の種類はあるか?

退職の種類には,普通解雇・整理解雇・懲戒解雇・定年退職・会社都合による辞職(会社都合退職)・自己都合による辞職(自己都合退職)があります。普通解雇・整理解雇・定年退職・会社都合退職の場合には,退職金規程がある限り退職金が支払われるのが通常です。懲戒解雇の場合には,労働契約・就業規則・労働協約において「懲戒解雇の場合には退職金を支給しない」旨の規定がある場合には,退職金を支給しなくてもよいのが原則です。ただし,「懲戒解雇の場合には退職金を支給しない」旨の規定が有る場合であっても,当該労働者の永年の勤続の功を抹消してしまうほどの重大な不信行為があるときでなければ,全額を不支給にすることはできないと解されています。

ここでは,退職金が支給されない退職の種類はあるのかについて,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

退職の種類と退職金の支給

退職とひとくちに言っても,さまざまな種類があります。退職の種類・類型としては,以下のものがあります。

  • 定年退職
  • 会社都合による辞職
  • 自己都合による辞職
  • 普通解雇・整理解雇
  • 懲戒解雇

退職金労働者が退職したときに支払われるものです。もっとも,上記のとおり,退職にはいろいろな種類があります。

退職金請求において,退職の種類によっては退職金が支払われないこともあるのかどうかが争点となることもあります。

>> 退職金・退職手当とは?

普通解雇・整理解雇の場合

退職の種類を理由として退職金請求の是非が争われる場合,争われることが多いのはやはり解雇の場合でしょう。

その解雇の類型として「普通解雇」や「整理解雇」があります。普通解雇や整理解雇の場合には,退職金規程がある限り,退職金が支払われるのが通常でしょう。

懲戒解雇の場合

解雇の類型としては,普通解雇や整理解雇のほかに「懲戒解雇」があります。退職金請求において最も争われるのは,この懲戒解雇の場合です。

「懲戒解雇の場合には退職金を支給しない」旨の規定がない場合

懲戒解雇の場合であっても,労働契約就業規則(退職金規程)・労働協約において「懲戒解雇の場合には退職金を支給しない」旨の規定がないときには,退職金請求を拒むことができないのが原則です(最一小判昭和45年6月4日・昭和45年(オ)第187号 )。

もっとも,「懲戒解雇の場合には退職金を支給しない」旨の規定が無い場合であっても,その退職金請求が権利の濫用に該当すると言える場合には,退職金を請求できなくなると解されています(東京地判平成8年4月26日等)。

「懲戒解雇の場合には退職金を支給しない」旨の規定がある場合

労働契約・就業規則(退職金規程)・労働協約において「懲戒解雇の場合には退職金を支給しない」旨の規定がある場合には,懲戒解雇をした労働者に退職金を支給しないという措置をとることができます。

ただし,いったん労働者が懲戒解雇以外の事由で退職した後に,実は懲戒解雇に相当する事由があったと主張してその懲戒解雇事由を理由に退職金の請求を拒むことはできないと解されています(大阪地決昭和61年3月11日等)。

また,「懲戒解雇の場合には退職金を支給しない」旨の規定がある場合であっても,必ずしも退職金全額の支給を拒むことはできないと解されています。

この点について,東京高等裁判所平成15年12月11日判決は,「賃金の後払い的要素の強い退職金について,その退職金全額を不支給とするには,それが当該労働者の永年の勤続の功を抹消してしまうほどの重大な不信行為があることが必要である。」と判示しています。

つまり,「懲戒解雇の場合には退職金を支給しない」旨の規定がある場合であっても,「当該労働者の永年の勤続の功を抹消してしまうほどの重大な不信行為がある」場合でなければ,退職金の全額を不支給とすることはできないということです(上記事案においては,退職金全額のうちの3割は支給すべきであると判断されています。)。

定年退職・会社都合退職の場合

退職の一類型として「定年退職」「会社都合による辞職」があります。定年退職や会社都合による辞職の場合には,退職金規程がある限り,退職金が支給されるのが通常でしょう。

自己都合退職の場合

退職の一類型として「自己都合による辞職」があります。自己都合による辞職の場合にも,退職金規程がある限り,退職金が支給されるのが通常でしょう。

もっとも,自己都合退職の場合には,定年退職,会社都合退職や普通解雇の場合に比べて退職金の支給率が低く設定されているのが一般的です。

定年退職,会社都合退職や普通解雇の場合よりも自己都合退職の場合の方が退職金の支給率を下げることについては,使用者側に裁量があるため,不合理とまではいえません。

ただし,会社都合退職であるのか自己都合退職であるのかについては,単に形式的に判断するのではなく,具体的な事情に応じて実質的な判断が必要となるでしょう。

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