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未払い退職金請求

未払い退職金の内容証明郵便による請求書の書き方

未払いの退職金・退職手当を使用者に対して請求する場合,まずは請求書を送付するのが一般的です。請求書の送付には,未払い退職金を請求する意思があるということを表示するだけでなく,消滅時効を仮に止めておくための「催告」としての意味も持っています。この請求書は,証拠として残しておけるように,配達証明付きの内容証明郵便で郵送するのが一般的です。

ここでは,未払い退職金・退職手当の内容証明郵便による請求書の書き方について,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

未払い退職金・退職手当の請求書

労働契約就業規則労働協約等において,退職金・退職手当の支給額や支給条件が明記され,その条件を充たしている場合には,退職の際に,使用者に対して退職金・退職手当の支払いを請求することができます

未払いの退職金・退職手当を請求する場合,まずは,第1段階として,使用者に対して請求書を送付するのが通常です。

なぜ請求書を送付するのかというと,退職金の支払いを請求する意思を相手方に伝えることはもちろんですが,それだけでなく,退職金請求権の消滅時効の完成を一時的にのばすことのできる「催告」としての効果を生じさせる意味もあります。

退職金を請求する権利も一定期間を経過すれば時効により消滅してしまいますが,時効の中断の措置をとれば,その消滅時効が完成してしまうことを止めることができます。

ただし,時効を中断させるためには訴訟を提起するなどの措置をとらなければなりません。とはいえ,訴訟提起などをする時間がないということもあるでしょう。

そこで,裁判外において「催告」をした場合には,一時的にではありますが,時効の完成を延期することのできるとされています。裁判外での請求書の送付はこの「催告」に該当するということです。

退職金・退職手当の消滅時効は,通常の賃金と異なり,支給日から5年とされていますので,時効が完成するまで放置してしまうということはあまりないかもしれませんが,やはりまずは請求書を送付しておくのが無難でしょう。

>> 退職金・退職手当とは?

内容証明郵便による請求書の送付

未払い退職金・退職手当請求書は,配達証明付きの内容証明郵便によって送付するのが一般的です。

内容証明郵便とは,その郵便の記載内容について,郵便局が確認した上で,郵便局がその内容の記載があるものを郵便によって送付したことを証明してくれるという郵便方法のことをいいます。

この内容証明郵便を使えば,郵便局でその郵便の内容を保管してくれるので,その内容証明郵便請求書を未払い退職金を請求したということの証拠として用いることが出来るということになります。

また,配達証明を付けることによって,その内容証明郵便を,確かに使用者側に配達したということまで証明できるようになります。

そのため,内容証明に配達証明を付けて送付するのが一般的なやり方となってくるのです。

ただし,内容証明郵便は,文字数や行数,使用できる文字や記号などが定められており,これに反する場合には受け付けてもらえません。

あらかじめ,内容証明郵便の制限について,郵便局のホームページを確認したり,問い合わせたりしておく必要があります。

なお,簡易書留で郵送しても配達したことは証明できますが,請求書の内容は証拠として残しておけませんので,確実を期すならば配達証明付きの内容証明で郵送すべきです。

>> 内容証明郵便(日本郵便サイト)

未払い退職金の請求書の記載事項

請求書の書き方については,特に定められた書き方というものはありません。

しかし,出来れば,後々に紛争となった場合に備えて,あらかじめ,裁判でも主張が必要とされる要件事実をある程度記載しておくべきでしょう。

未払い退職金・退職手当を請求する裁判においては,使用者に退職金・退職手当を支払う義務があることを主張・立証する必要があります。

具体的にいえば,労働契約書・就業規則・労働協約において,退職金を支払う旨の規定があり,しかも,具体的な支給額または支給条件が定められていること,そして,その支給条件を充たしていることを証明しなければなりません。

そこで,内容証明郵便による請求書にも,就業規則等に退職金を支払う旨の規程があったこと,具体的な支給額または支給条件の定めがあったこと,支給の条件を充たしていることを記載しておくべきでしょう。

なお,通常は,期限を定めて支払いを請求することになります。したがって,「何年何月何日までに,○○銀行○○支店 ○○預金 口座番号○○ 口座名義人○○ に振り込む方法によってお支払いください。」などと記載します。

>> 退職金請求権の要件事実とは?

未払い退職金の請求書の記載例

不払い退職金請求の内容証明郵便の記載例は以下のようになります(もちろん支給条件や基準によってはいろいろな記載方法がありますし,別の書き方でもかまいません。)。

拝啓

私は,○○年○○月○○日,貴社に入社し,○○年○○月○○日に退社した者です(退社していない場合には,「現在も貴社に勤務している者です。」と記載すれば足りるでしょう。)。

私は,貴社との間で,○○年○○月○○日に退職金として○○円を支払いを受けるとの労働契約を締結したにもかかわらず,いまだ上記退職金の支払いを受けておりません(支給基準や条件がある場合には,その基準・条件およびそれを満たしていることも記載します。)。

そこで,私は,貴社に対し,退職金○○円の支払いを請求いたします。

つきましては,上記未払い退職金○○円及びこれに対する○○年○○月○○日(不払いが始まった支給日)から支払済みまで商事法定利率年6パーセント(使用者が会社ではなく個人の場合には,民事法定利率年5パーセント。)の割合による遅延損害金を,○○年○○月○○日までに(通常は1週間から3週間程度の期間を定めます。),○○銀行○○支店 ○○預金(普通・定期などの別) 口座番号○○ 口座名義人○○ (支払いを希望する口座を記載します。)に振り込む方法によってお支払いください。

仮に,上記期日までにお支払いをいただけない場合には,労働基準監督署への申告や民事裁判の提起などの法的手段をとる場合がありますので,あらかじめご了承ください。

草々

また,就業規則・労働契約書等の資料の開示も一緒に求める場合には,「本件紛争の早期解決のために,雇用契約書,就業規則など関連資料の開示を併せて請求いたします。」などの記載を追加してもよいでしょう。

>> 未払い退職金請求の流れ

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