不払い退職金・退職手当を請求するという前に,そもそも「退職金」や「退職手当」とは何なのでしょうか?ここでは,退職金・退職手当の法的な意味について考えます。
退職金・退職手当の意味
会社によっては,労働者が退職するに際して,退職金・退職手当といった特別の給付が支払われる場合が少なくありません。この退職金・退職手当は,法律的にはどういった意味を持っているのでしょうか?
この退職金・退職手当には,複数の性質があると考えられています。代表的なものは,まったく会社からの恩給的な意味しか持たないという性質の場合です。恩給的給付としての性質と呼ばれることがあります。
もう1つは,賃金としての性質を持っている場合です。「賃金の後払い的性格」などと呼ばれることもあります。この性質の退職金・退職手当は,単なる会社からの恩給ではないので,給料や残業代などと同じく,賃金の支払いに関する様々な原則が適用されることになります。
退職金・退職手当を請求できる場合とは?
退職金・退職手当は,賃金や割増賃金と異なり,労働をしたら法律上当然に発生するというものではありません。あくまで,労働契約や就業規則などで,退職金・退職手当を支払うという約束がなされている場合にだけ,支払われるものです。
したがって,上記のように,労働契約や就業規則で退職金・退職手当を支払うという規程が無い場合には,例え退職金・退職手当が支払われないとしても未払い・不払いの問題は起きませんし,無論その支払いを請求することはできません。
また,退職金・退職手当が恩給的な給付にすぎない場合は,あくまで会社からのプレゼントのようなものですので,例え退職金・退職手当が支払われないとしても,未払い・不払いの問題は起きず,当然支払いを請求することもできません。
ということは,未払い・不払いの退職金・退職手当を請求することができる場合とは,退職金・退職手当の支払いが労働契約や就業規則などで規定されている上,それが「賃金」として扱われる場合であるということができます。










