未払い残業代等を確実に回収するために,あらかじめ使用者の財産を押えておく必要がある場合があります。ここでは,あらかじめ財産を押えておく必要がある場合について考えます。
あらかじめ財産を押える必要がある場合
未払いの賃金・残業代等を請求し,仮に裁判で勝訴したとしても,使用者が任意に支払ってくれなければ,強制執行をしなければなりません。
しかし,場合によっては,裁判前にはあったはずの執行すべき財産が裁判が終わったときには無くなってしまっているということがあり得ます。
そこで,勝訴したときに備えて,あらかじめ使用者の財産を押えておく必要があるということになります。それを実現する手続が民事保全と呼ばれる手続です。
特に,預金などは常に流動的なため,裁判前には存在したが裁判後には無くなってしまっているという場合が少なくありません。動産もそうでしょう。
もちろん,ある程度の規模の会社であれば,会社が存続する限り一定の財産があるため,民事保全までは必要ないという場合が多いのですが,財産隠匿のおそれや裁判後には経営状況が悪化しているおそれがあるという場合には,民事保全が必要となる場合もあり得ます。
そのような場合に有用なのが,この民事保全手続というわけです。つまり,民事保全手続とは,裁判が決着する前に,勝訴した場合に備えて,あらかじめ相手方の財産を「仮に」差押えなどしておくという裁判手続です。










