未払い賃金・残業代請求の問題を解決するための方法の1つとして,労働組合を利用する方法が考えられます。ここでは,労働組合について考えます。
労働組合とは
労働組合という組織のことはよく耳にすると思いますが,実際にはどのような組織なのでしょうか?
この点,労働組合は労働組合法という法律によって規律・保障されています。この労組法によると,労働組合とは,「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体」であると定義されています。
すなわち,労働組合は,労働者が中心となった組織です。そして,その目的は,労働条件の維持改善や賃金の保障など労働者の経済的地位の向上にあります。
労働組合の発祥
近世から近代にかけて資本主義の台頭により,資本を持つ者と持たない者とが生まれ,その力の差が顕著となっていきます。資本を持つ者とは使用者であり,持たない者とは労働者です。
使用者は,その経済力を行使して労働者を酷使し,次第に,貧富の格差が生じていくこととなりました。過酷な労働や児童・女性の酷使などの弊害が社会問題となっていきます。今でいえば,深刻な労働問題が発生し始めていたというわけです。
この弊害を防止するため,近現代の憲法では,労使の対等を図るべく,労働者の権利を人権として保障するようになってきました。
日本国憲法においては,労働者の権利が保障されています。そのうちでも最も重要とされている権利が,憲法第28条に定める「労働三権」と呼ばれる人権です。
労働三権とは,労働者が団結する権利(団結権),労働者が使用者と団結して交渉する権利(団体交渉権),労働者が団結して行動する権利(団体交渉権・争議権)の3つの権利をいいます。
いずれも,個々では使用者よりも力の劣る労働者たちが,団結して使用者と立ち向かうことを人権として保障し,労働者と使用者の対等な力の均衡を図ろうというものです。
そして,その労働者の団結を具体的に制度化したものが,労働組合であるということです。つまり,労働組合は,単なる法律上の制度ではなく,憲法上保障された極めて重要な組織であるということができるのです。










