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労働基準法の基本

就業規則とは?

就業規則とは,労働者が就業する上で遵守しなければならない規律および労働条件の具体的な細目について定める規則のことをいいます。ここでは,就業規則とは何かについて,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

就業規則とは?

使用者・会社において,「就業規則」が定められていることが多いと思います。就業規則とは,労働者が就業する上で遵守しなければならない規律および労働条件の具体的な細目について定める規則のことをいいます。

つまり,就業規則とは,使用者・会社のルールを定めたものということです。ただし,就業規則は,単なる目標ではなく,法的な効力を有するルールです。

すなわち,就業規則で定められた労働条件は,労働契約の内容となるとされています(労働契約法7条)。

したがって,就業規則で定められている労働条件は,使用者だけでなく,労働者に対しても法的な拘束力を及ぼすことになるのです。

>> 労働契約とは?

就業規則の効力

労働契約法 第7条
労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において,使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には,労働契約の内容は,その就業規則で定める労働条件によるものとする。ただし,労働契約において,労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については,第12条に該当する場合を除き、この限りでない。

労働契約法 第12条
就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は,その部分については,無効とする。この場合において,無効となった部分は,就業規則で定める基準による。

労働基準法 第13条
この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は,その部分については無効とする。この場合において,無効となつた部分は,この法律で定める基準による。

労働基準法 第92条
就業規則は,法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない。

労働基準法 第93条
労働契約と就業規則との関係については,労働契約法 (平成19年法律第128号)第12条の定めるところによる。

前記のとおり,就業規則は,労働契約の内容となるとされています(労働契約法7条)。労働条件を定めるという強力な効力を持っているのです。

ただし,就業規則であっても,労働契約法,労働協約の効力を覆すことはできません(労働基準法13条,92条)。

また,就業規則は,労働契約の最低限を定める基準となりますので,就業規則の労働条件を下回る労働契約はその部分について無効となります。

そのため,一般的には,「労働基準法>労働協約>就業規則>労働契約」という優劣関係になると言われています(ただし,就業規則の労働条件を上回る個別の労働契約が締結されている場合には,その労働契約が就業規則に優先することになります。)。

就業規則の要件

使用者は就業規則を作成することができますが,その就業規則が労働者に対して効力を有するには,以下の要件を満たしている必要があります。

  • 就業規則に必ず記載しなければならない事項(必要的記載事項)が記載されていること
  • 特定の内容を定める場合には,それに応じて必ず記載しなければならない事項(相対的記載事項)が記載されていること
  • その就業規則を適用する事業場に,労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合の,労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴いたこと
  • 作成した就業規則を労働者に周知したこと

>> 就業規則が有効になるための要件とは?

就業規則の作成義務

就業規則は,どのような使用者・会社でも作成しておかなければならないというものではありません。

ただし,「常時10人以上の労働者を使用する使用者」には,必ず就業規則を作成しなければならない法的義務があります。

もっとも,ここでいう「常時10人以上の労働者を使用する」単位は,事業場単位とされています。

したがって,会社全体では10人以上の労働者がいても,事業場単位でみれば10人未満であるという場合には,その事業場において就業規則を作成する義務はありません。

不利益変更の禁止

労働契約法 第9条
使用者は,労働者と合意することなく,就業規則を変更することにより,労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。ただし,次条の場合は,この限りでない。

労働契約法 第10条
使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において,変更後の就業規則を労働者に周知させ,かつ,就業規則の変更が,労働者の受ける不利益の程度,労働条件の変更の必要性,変更後の就業規則の内容の相当性,労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは,労働契約の内容である労働条件は,当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。ただし,労働契約において,労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については,第12条に該当する場合を除き,この限りでない。

使用者は,就業規則を変更することができます。

もっとも,就業規則が変更されれば,労働者の労働条件も変更される可能性があるのですから,使用者が勝手に就業規則を変更できるとすると,労働者に重大な不利益を被らせるおそれがあります。

そこで,就業規則の変更をもって,労働者に不利益となる労働条件の変更はできず,労働者との個別の合意が必要であるのが原則とされています(労働契約法9条)。

ただし,以下の場合には,労働者の個別合意なく,就業規則の変更によって労働者の労働条件を不利益に変更することができるとされています(労働契約法10条)。

  • 変更後の就業規則を労働者に周知させること
  • 就業規則の変更が,労働者の受ける不利益の程度,労働条件の変更の必要性,変更後の就業規則の内容の相当性,労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであること
  • 労働契約において,労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していないこと

未払い残業代等請求と就業規則

未払い残業代等請求においては,労働者がどのような労働条件であったのかということが大きな問題となります。

賃金額や支払時期などだけでなく,使用者側からのよくある反論としては,固定残業代を採用していた,管理監督者である,裁量労働制を採用していた,変形労働時間制を採用していたなどがありますが,これらも労働条件がどのようになっていたのかに関わってきます。

そうすると,労働条件を定める就業規則がどのように規定されていたのかということは,非常に重要な意味を持ってきます。

しかし,実際には,就業規則を労働者を開示せず,閲覧できなように隠しておき,労働者には告げないまま勝手に労働条件を変更していたり,あるいは,未払い残業代等を請求されてから急いで都合のよいように就業規則を改ざんしてくるというケースが少なくありません。

したがって,未払い残業代等を請求しようと考えている場合には,あらかじめ就業規則の内容を確認しておき,できればコピーするなどしておいた方がよいでしょう。

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