給料や給与などの所定賃金が支払われなかった場合,まずは所定賃金の支払いの請求書を内容証明郵便で送付するのが一般的です。ここでは,未払い所定賃金請求のための内容証明郵便の書き方について考えます。
未払い所定賃金の請求の内容証明郵便
未払いの給料・給与などの所定賃金を請求する場合,まずは,第1段階として,請求書を送付することになります。この請求書は,配達証明付きの内容証明郵便によって送付するのが一般的です。
内容証明郵便とは,その記載内容について,郵便局が確認した上で,郵便局がその内容の記載があるものを郵便によって送付したことを証明してくれるという郵便方法のことをいいます。
この内容証明郵便を使えば,特定の内容で未払いの所定賃金を請求したということを,後々まで証拠として用いることが出来るということになります。
また,配達証明を付けることによって,その内容証明郵便を,確かに使用者側に配達したということまで証明できるようになります。そのため,内容証明に配達証明を付けて送付するのが一般的なやり方となってくるのです。
なお,内容証明郵便は,文字数や行数,使用できる文字や記号などが厳格に定められており,これに反する場合には受け付けてもらえません。あらかじめ,内容証明郵便の制限について,郵便局のホームページを確認したり,問い合わせたりしておく必要があります。
未払い所定賃金の請求のための内容証明の記載事項
請求書の書き方については,特に定められた書き方というものはありません。しかし,出来れば,後々に紛争となった場合に備えて,あらかじめ,裁判でも必要とされるよう事実を記載しておくべきでしょう。
未払い給与や給料などの所定賃金を請求する裁判においては,所定賃金の金額,所定労働時間に労働したことを証明しなければなりません。
そこで,内容証明郵便による請求書にも,所定賃金の金額に加え,所定労働時間に労働したことを記載しておくべきでしょう。労働時間については,未払いの期間に労働したことを記載しておくことになりますが,具体的に何時間とまで記載する必要はなく,何年の何月何日から何月何日まで所定労働時間に労働した,と記載すれば十分でしょう。
また,いったいいくらの所定賃金を請求するのかを明示しておければ,なお良いでしょう。ただし,使用者側で資料等を開示してくれない場合には,無理に所定賃金を記載する必要はありません。
このような場合には,何年何月何日から何月何日までの給料・給与等の支払いを求める,とだけ記載しておけば足りるでしょう。
なお,通常は,期限を定めて支払いを請求することになります。したがって,「何年何月何日までに,○○銀行○○支店 ○○預金 口座番号○○ 口座名義人○○ に振り込む方法によってお支払いください。」と記載します。
未払い所定賃金の請求のための内容証明の記載例
未払い所定賃金の内容証明郵便の記載例は以下のようになります(もっとも,もちろん別の書き方でもかまいません。)。
拝啓
私は,○○年○○月○○日,貴社に入社し,○○年○○月○○日に退社した者です(退社していない場合には,「現在も貴社に勤務している者です。」と記載すれば足りるでしょう。)。
私は,上記期間に,貴社に対し,所定労働時間の労働を提供したにもかかわらず,いまだ所定賃金○○円(金額を算定できない場合には,「○○年○○月分から○○年○○月分までの所定賃金」と記載します。)の支払いを受けておりません。
そこで,私は,貴社に対し,所定賃金○○円(○○年○○月分から○○年○○月分までの所定賃金)の支払いを請求いたします。
つきましては,上記未払いの所定賃金○○円及びこれに対する○○年○○月○○日(未払いが始まった給料日)から支払済みまで商事法定利率年6パーセント(使用者が会社ではなく個人の場合には,民事法定利率年5パーセント。)の割合による遅延損害金を,○○年○○月○○日までに(通常は1週間から3週間程度の期間を定めます。),○○銀行○○支店 ○○預金(普通・定期などの別) 口座番号○○ 口座名義人○○ (支払いを希望する口座を記載します。)に振り込む方法によってお支払いください。
仮に,上記期日までにお支払いをいただけない場合には,労働基準監督署への申告,民事裁判の提起または刑事告訴等の法的手段をとることになりますので,あらかじめご了承ください。
草々
すでに退職している場合には,上記の第4段落目を以下のように変更してみてください。
つきましては,○○円(未払いの所定賃金と退職日までの年5パーセントまたは年6パーセントの遅延損害金の合計額。)及びうち○○円(未払い所定賃金の額)に対する退職日の翌日である○○年○○月○○日から支払済みまで年14.6パーセントの割合による遅延損害金を,○○年○○月○○日までに(通常は1週間から3週間程度の期間を定めます。),○○銀行○○支店 ○○預金(普通・定期などの別) 口座番号○○ 口座名義人○○ (支払いを希望する口座を記載します。)に振り込む方法によってお支払いください










