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未払い所定賃金の請求

未払い給料・給与の請求書の書き方

未払いの給料・給与・基本給等の所定賃金(所定内賃金)を使用者に対して請求する場合には,まずは請求書を送付するのが一般的です。請求書の送付には,未払い給料・給与等を請求するという意思を表示するだけでなく,消滅時効を仮に止めておくための「催告」としての意味も持っています。この請求書は,証拠として残しておけるように,配達証明付きの内容証明郵便で郵送するのが一般的です。

ここでは,未払い所定賃金請求のための請求書について,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

未払い所定賃金請求書を送付する意味

労働契約で定められている所定労働の対価として支払われている賃金のことを所定賃金(所定内賃金)といいます。いわゆる給料・給与・基本給などと呼ばれることがあります。

未払いの給料・給与などの所定賃金を請求する場合,まずは,第1段階として,使用者側に対して請求書を送付するのが通常です。

この未払い給料・給与等の請求書を使用者に送付するのは,もちろん,給料・給与等を請求する意思を表示するためです。しかし,それだけではなく,消滅時効中断させるという意味も持っています。

給料・給与などの賃金請求権は,所定の支給日から2年を経過すると時効によって消滅してしまいます。つまり,2年経過すると請求ができなくなってしまうのです。

この消滅時効を止める(中断させる)ためには,訴訟を提起するなど「請求」する必要があります。もっとも,訴訟提起をするには,ある程度の準備が必要です。

そこで,仮の中断措置として「催告」があります。催告をすると,6か月間だけ時効が完成するのを止めることができます。請求書の送付もこの「催告」に当たります。

そのため,消滅時効の完成を催告によって止めておくために,未払い給料・給与の請求書を送付しておくのです。

>> 所定賃金(所定内賃金)とは?

未払い所定賃金の内容証明郵便請求書

前記のとおり,未払いの給料・給与などの所定賃金を請求する場合,まずは請求書を送付します。この請求書は,普通郵便や書留郵便ではなく,配達証明付きの内容証明郵便によって送付するのが一般的です。

内容証明郵便とは,その記載内容を郵便局の方で確認した上で,郵便局がその内容の記載があるものを郵便によって送付したことを証明してくれるという郵便方法のことをいいます。

この内容証明郵便を使えば,特定の内容で未払いの所定賃金を請求して消滅時効中断の仮の措置である「催告」をしたということを,後々まで証拠として用いることが出来るということになります。

また,配達証明を付けることによって,その内容証明郵便を,確かに使用者側に配達したということまで証明できるようになります。

そのため,内容証明に配達証明を付けて送付するのが一般的なやり方となってくるのです。

なお,内容証明郵便は,文字数や行数,使用できる文字や記号などが定められており,これに反する場合には受け付けてもらえません。

あらかじめ,内容証明郵便の制限について,郵便局のホームページを確認したり,問い合わせたりしておく必要があります。

>> 未払い賃金請求権の消滅時効とは?

未払い所定賃金の請求のための内容証明の記載事項

請求書の書き方については,特に定められた書き方というものはありません。

もっとも,消滅時効中断の催告としての効果を持たせるためには,対象となっている賃金債権はそれなのかということを特定しておく必要はあります。

そこで,単に給料を請求するというのではなく,どの賃金請求権のことなのかが特定できる程度の記載はしておくべきでしょう。

賃金請求権の特定の仕方としては,誰の誰に対するどの債権のことなのかが分かる程度の記載で足りるでしょう。

誰の誰に対する請求権なのかは,請求書を送っているくらいですから明らかです。

どの債権なのかは,債権の内容(給料・給与の請求できること)や請求する期間(何月分給料から何月分給料まで等)で特定するのが通常でしょう。

また,出来れば,後々に紛争となった場合に備えて,あらかじめ,裁判でも必要とされる要件事実はある程度記載しておくべきでしょう。

具体的には,労働契約関係があることや金額所定労働時間に労働したこと程度は記載しておくべきでしょう。

請求する所定賃金の金額を明示しておければ,なお良いでしょう。ただし,使用者側で資料等を開示してくれないために正確な金額が分からないような場合には,無理に所定賃金を記載する必要はありません。

このような場合には,何年何月何日から何月何日までの給料・給与等の支払いを求める,とだけ記載しておけば足りるでしょう。

なお,通常は,期限を定めて支払いを請求することになります。したがって,「何年何月何日までに,○○銀行○○支店 ○○預金 口座番号○○ 口座名義人○○ に振り込む方法によってお支払いください。」と記載します。

>> 未払い所定賃金を請求するには何を主張立証するのか?

未払い所定賃金の請求のための内容証明の記載例

未払い所定賃金の内容証明郵便の記載例は以下のようになります(もっとも,もちろん別の書き方でもかまいません。)。

拝啓

私は,○○年○○月○○日,貴社に入社し,○○年○○月○○日に退社した者です(退社していない場合には,「現在も貴社に勤務している者です。」と記載すれば足りるでしょう。)。

私は,上記期間に,貴社に対し,所定労働時間の労働を提供したにもかかわらず,いまだ○○年○○月分から○○年○○月分までの間の所定賃金○○円(金額を算定できない場合には,「○○年○○月分から○○年○○月分までの間の所定賃金」とだけ記載します。)の支払いを受けておりません。

そこで,私は,貴社に対し,所定賃金○○円(○○年○○月分から○○年○○月分までの間の所定賃金)の支払いを請求いたします。

つきましては,上記未払いの所定賃金○○円及びこれに対する○○年○○月○○日(未払いが始まった給料日)から支払済みまで商事法定利率年6パーセント(使用者が会社ではなく個人の場合には,民事法定利率年5パーセント。)の割合による遅延損害金を,○○年○○月○○日までに(通常は1週間から3週間程度の期間を定めます。),○○銀行○○支店 ○○預金(普通・定期などの別) 口座番号○○ 口座名義人○○ (支払いを希望する口座を記載します。)に振り込む方法によってお支払いください。

仮に,上記期日までにお支払いをいただけない場合には,労働基準監督署への申告,民事裁判の提起または刑事告訴等の法的手段をとることになりますので,あらかじめご了承ください。

草々

すでに退職している場合には,上記の第4段落目を以下のように変更してみてください。

つきましては,○○円(未払いの所定賃金と退職日までの年5パーセントまたは年6パーセントの遅延損害金の合計額。)及びうち○○円(未払い所定賃金の額)に対する退職日の翌日である○○年○○月○○日から支払済みまで年14.6パーセントの割合による遅延損害金を,○○年○○月○○日までに(通常は1週間から3週間程度の期間を定めます。),○○銀行○○支店 ○○預金(普通・定期などの別) 口座番号○○ 口座名義人○○ (支払いを希望する口座を記載します。)に振り込む方法によってお支払いください。

>> 未払い給料・給与等請求の流れ

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