割増賃金

未払い所定賃金の請求

給料・給与などの未払い所定賃金請求の記事一覧

未払い所定賃金請求の概要・全体像

未払いの所定賃金(給料・給与・基本給等)を請求するためには,労働基準法等の法的な知識が必要となってきます。以下では,未払い割増賃金請求の概要についてご説明いたします。

所定賃金とは?

賃金とは,使用者が労働者に対して労働の対価として支払う金銭のことをいいます。

その賃金のうちで,いわゆる給料や給与など,労働契約において,所定の時間労働した場合に,それに対する対価として一定の金額を支払うことが定められているもののことを所定賃金(所定内賃金)と呼んでいます。

所定賃金は生活の基盤となる金銭です。それだけにこの所定賃金は,最低限度の賃金として,その他の給付よりも,より支払いが確実になされなければならないものであるという重要性があります。

つまり,もっともその未払い・不払いが厳に禁止されるものであるということです。

>> 所定賃金(所定内賃金)とは?

所定賃金請求の要件事実

裁判においては,当事者は法的要件に該当する具体的な事実を主張・立証しなければなりません。この法的要件に該当する具体的な事実のことを要件事実といいます。

所定賃金を請求するためには,労働者の側で,以下の要件事実を主張・立証する必要があります。

  • 使用者との間で労働契約を締結したこと
  • 所定の労働を提供したこと(労働の提供が終了したこと)

また,実務上は,これらのほか労働契約の具体的な内容として,所定賃金の金額・賃金の締日・賃金の支払日等も主張・立証するのが通常です。

裁判等においては,請求する労働者の側で「支払いがなされていないこと」を立証する必要はありません。労働者側は所定賃金の金額がいくらかということを立証すればよく,未払いであることまでは立証する必要が無いのです。

むしろ,使用者の方で「支払いをしたこと」を立証しなければならないからです。

>> 所定賃金請求では何を主張・立証するのか?

所定賃金請求における証拠

前記のとおり,未払い給料・給与等の請求においては,労働者側で要件事実の主張・立証が必要となります。立証とは,証拠によってある事実の存在を明らかにすることです。

したがって,所定賃金が未払いとなった場合,まず最初に考えなければいけないことは,要件事実を明らかにすることのできるような証拠の収集・確保です。

任意に(裁判などをせずに)請求しただけですぐに支払ってくれるのであれば問題ありませんが,すでに所定賃金すらまともに支払ってもらえていないのですから,任意に請求しただけですぐに支払ってくれるという場合は少ないでしょう。

そうなると,将来的に裁判等になった場合に備えて,未払い所定賃金請求の根拠となる証拠をそろえておく必要が出てきます。

所定賃金の請求の場合に必要となる証拠としては,例えば,労働契約書・雇用契約書,就業規則・賃金規程,給与明細などが考えられます。場合によっては,証人が必要となる場合もあるかもしれません。

もっとも,そうかと言って,所定賃金の額を立証できるだけの証拠すら手元に無いという場合も無いとは言えません。そういう場合には,会社などの使用者が持っている証拠を開示してもらう必要があります。

そして,使用者が開示を拒んでいるような場合には,証拠を強制的に回収する手続として,裁判所による証拠保全手続という手続があります。

>> 未払い所定賃金請求ではどのような証拠が必要か?

所定賃金請求の流れ

未払い給料・給与等の所定賃金を請求する場合には,まずは使用者側に対して請求書を送付するのが通常です。請求書は,配達証明付きの内容証明郵便で郵送するのがよいでしょう。

一般的には,請求書の送付後,使用者側と裁判外で交渉をすることになります。交渉が上手くいけば,使用者と和解契約を締結し,合意書を作成することになります。

使用者との交渉が上手くいかない場合には,労働基準監督署や各種のADRなどを利用することも考えられます。

労働基準監督署では,労働基準法違反を申告して所定賃金未払いの是正を勧告してもらう方法があります。

紛争調整委員会,各地方自治体の労政事務所,都道府県の労働委員会などでも,労使間の交渉のあっせんを行っているところもあります。また,労働組合に協力を求め,組合を通じて交渉を行うという方法もあります。

もっとも,上記の交渉やあっせん等は,労働基準監督署の勧告等を除き,あくまで話し合いですから,柔軟な対応が可能であるというメリットがある反面,強制力がないという欠点があります。

労働基準監督署の利用等によっても支払いがなされない場合には,裁判手続を利用することになります。

未払い所定賃金問題を解決するための裁判所を利用する手続としては,労使双方の話し合いを基調とする労働調停,話し合いを基調としつつも裁判官による終局的な決定がなされる労働審判,そして,話し合いではなく,労使双方の主張・立証をもとに裁判所が判決という終局判断をくだす労働訴訟とがあります。

労働審判は短期で決着をつけることができるというメリットがありますが,ある程度の妥協は必要です。他方,訴訟の場合には,かなりの時間がかかる場合もあります。

いずれにしても,話が付かない場合には,最終的には裁判で決着をつける必要があるということです。

>> 未払い給料・給与等請求の流れ

未払い所定賃金の請求書

前記のとおり,未払い給料・給与等を請求する場合には,使用者側に請求書を送付するのが通常です。

この請求書には,未払い所定賃金を請求する意思を表示するということのほかに,消滅時効を止める「催告」としての意味もあります。そのため,配達証明付きの内容証明郵便で郵送するのが通常です。

この未払い給料・給与等請求書に決まった書き方というものはありませんが,どの債権を請求しているのかが特定できる程度の記載をしておく必要はあるでしょう。

>> 未払い給料・給与等請求書の書き方

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