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未払い深夜割増賃金の請求

未払い深夜手当請求に必要となる証拠

深夜労働に対する割増賃金(深夜手当)が支払われなかった場合,後々の請求に備えてどのような証拠を用意しておけばよいのでしょうか?ここでは,未払い深夜手当請求のための証拠について,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

未払い深夜割増賃金請求における立証

労働基準法では,午後10時から翌午前5時までの間における労働のことを深夜労働といい,使用者が労働者に深夜労働させた場合,使用者は基礎賃金の25パーセント増以上の割増賃金,いわゆる深夜手当を支払わなければならないとされています。

未払い深夜手当の支払いを請求する方法としては交渉などによる方法もありますが,話し合いがつかなければ,最終的には訴訟によって請求する必要があります。そのため,あらかじめ訴訟になった場合のことも見越しておく必要があります。

訴訟においては,労働者側で,深夜手当算定の基礎となる基礎賃金の額,つまり,使用者との間で一定の所定賃金等を支払う旨の労働契約が締結されていたこと等の労働条件,午後10時から翌午前5時までの深夜時間帯に深夜労働をしたことやその労働時間数を主張し,それらを証拠によって立証する必要があります。

使用者との間で,深夜労働に対して労働基準法所定の1.25倍を超える割増率での割増賃金を支払うという合意がなされている場合には,そのことも立証することになります。

>> 深夜労働に対する割増賃金(深夜手当)とは?

労働条件・賃金額の証拠

未払い深夜手当を請求するには,そもそも深夜手当がいくらなのかということを明らかにする必要があります。そして,深夜手当を計算するために,所定労働時間や基礎となる賃金がいくらなのかなどの労働条件を主張立証しなければなりません。

この使用者との間の労働条件や所定賃金の金額については,労働契約書または就業規則を証拠として用意しておく必要があります。賃金額については,給与明細などを証拠とすることも可能です。

労働契約書・就業規則・給与明細のいずれも発行されていない又は開示されないという場合もあります。その場合には,銀行振込の記録(通帳の写し)や領収書などによって,基礎賃金の金額を証明することが可能です。

所定労働時間については,例えば,求人票やインターネットでの求人のページなどを証拠として利用する場合もあります。

>> 深夜手当など割増賃金の計算の手順・方法

深夜労働時間の証拠

深夜労働をしたことやその労働時間については,基本的には,タイムカードによって立証します。タイムカードが無い場合には,労働時間を記録した証拠を探すことになります。

タイムカードが無い場合の労働時間の立証はなかなか難しいものがあります。タイムカード以外に深夜労働をしたことを示すような勤務報告書のようなものがあればそれを使います。

場合によっては,会社内にあるパソコンの起動時間・終了時間のデータを取り出して証拠化したり,メールの送受信記録などを証拠とする場合もあります。

会社の建物の管理人などがいれば,建物に入った時間と出た時間の記録などを証拠とする場合もあるでしょう。防犯カメラがあれば,その映像を取得することも考えられます。

事業所への出入りについて警備システムを利用しているような場合には,警備会社にある入退場の警備記録を証拠として提出するということもあるでしょう。

それら客観的な証拠が無い場合には,自分でつけていた日記などの記録を証拠としていく場合もあり得ます。ただし,日記等は証拠として信用性が低いので,その日記の内容を補強するような証拠が必要となるでしょう。

使用者側が,深夜労働をしたことについて争うような場合でタイムカードや労働時間を記録した書面などが無い場合には,同僚の証言やご本人の陳述が必要となる場合もあります。

>> 証拠が手元にない場合はどうすればよいか?

深夜手当の割増率の立証

労働基準法における深夜割増賃金の割増率の最低基準は,基礎賃金の25パーセント増しとされています。

労働契約において,深夜割増賃金の割増率について特段の定めがない場合には,この25パーセント増しで計算をするだけですので,特に主張や立証は必要ありません。

他方,使用者との間で,深夜労働に対しては労働基準法所定の1.25倍を超える深夜手当を支払う旨の合意があった場合には,その特別な割増率を労働条件としていることを示す労働契約書や就業規則などを証拠として提出する必要があります。

>> 割増賃金の割増率とは?

深夜手当が支払われていないことの立証

深夜手当が支払われていないことは,労働者の側で立証する必要はありません。むしろ,深夜手当を支払ったことを,使用者側で主張・立証しなければならないからです。

>> 深夜割増賃金請求には何を主張・立証すればよいのか?(要件事実)

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