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各種の紛争解決手続

未払い残業代等請求に利用できる裁判手続とは?

未払い賃金・残業代等を請求する手続としては,裁判手続もあり得ます。ここでは,未払い残業代等請求に利用できる裁判手続の各概要について,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

労働審判の利用

未払い賃金残業代等を請求するための裁判上の手続の1つとして,労働審判制度が考えられます。

これは,話し合いを基調としつつも,話し合いがつかない場合には裁判所(労働審判委員会)が労働審判という判断をくだすという,言ってみれば,調停と訴訟の中間のような制度です。

労働審判の特徴としては,裁判官(労働審判官)だけでなく,労働問題に精通した専門家(労働審判員)が参加し,柔軟な解決が図りうること,3回の期日までに終了しなければならないとされているため,訴訟に比べて迅速な解決が図りうることなどが挙げられます。

東京地方裁判所立川支部でも労働審判が可能です。立川支部では,ほとんどの事件が1回で解決しているとのことです。迅速性であれば,やはり労働審判が一番でしょう。

今後の未払い賃金・残業代等の請求方法の中心となる可能性があります。

もっとも,訴訟に比べると,話し合いを基本とする分,妥協が求められる場面が少なくないという面もないとは言えません。

労働訴訟の利用

裁判所を利用した未払い賃金・残業代等の請求の方法として最もポピュラーなものが,この労働訴訟かと思います。

もっとも,労働訴訟という特別の制度があるわけでなく,扱われる事件が労働事件である場合の訴訟のことを労働訴訟と呼んでいるだけです。

したがって,仕組みとしては他の事件の訴訟と同じです。当事者が互いに主張と立証を尽くし,それに基づいて裁判所が判決を下します。ただし,訴訟においても,和解が試みられることは少なくありません。

訴訟は,労働審判や調停に比べれば硬直的な判断(判決)下されることになりますから,柔軟な解決がしにくく,終結までの時間も1年くらいかかることはざらです。

しかし,調停でも審判でも決着がつかない場合には,最終的にはこの訴訟によって決着をつけることになります。

特に,労働時間などについて争いがある場合には,労働審判よりも労働訴訟を選択する方がよい場合もあります。

労働調停の利用

裁判所では,労働審判や訴訟の他にも民事調停が行われています。未払い賃金・残業代等の請求についても,当然この調停制度を利用することができます。

もっとも,調停はあくまで話し合いです。相手方が話し合いに応じてこなかったり,話がつかなったりした場合には,調停は不成立となります。

労働審判が出来た現在では,少なくとも未払い賃金・残業代等請求の事件ではあまり利用する意味がなくなったといってよいでしょう。

どの手続で請求すべきか

どの手続を選択すべきかは個々の事情によって異なってきます。ただし,前記のとおり,労働調停は労働審判ができた現在ではあまり有用とはいえません。したがって,選択するとすれば,労働審判か労働訴訟でしょう。

ある程度裁判前に交渉がなされており,事実関係には争いがない又は少ない場合や早期解決を望んでいるという場合には,労働審判を選択するのがよいでしょう。

他方,そうでない場合,特に事実関係について争いがある場合や複数の労働者が一度に使用者を相手方として請求する場合などは,やはり労働訴訟によることになります。

その他の裁判手続の利用

前記の裁判手続は直接請求をするための裁判手続です。もっとも,未払い残業代等を請求する場合に,直接請求するための裁判手続ではないですが,請求のために付随的に役に立つ裁判手続は他にもあります。

証拠保全手続

未払い賃金・残業代等請求そのものをするわけではありませんが,その請求の前提となる証拠の収集のために用いられる裁判所の制度が,証拠保全手続です。

使用者のもとに証拠があることは確実であるものの,その使用者が証拠を開示してくれないなどという場合に用いられることがあります。

裁判官とともに相手方のところに赴き,相手方から証拠を開示させるという手続です。

もちろん裁判手続ですから,どんな場合でも証拠保全手続が出来るわけではありません。使用者のところに証拠がある可能性があることやその証拠を保全する必要性があることを,裁判官に説明する必要があります。

民事保全手続(仮差押え等)

未払い賃金・残業代等の請求が認められる可能性があるとしても,実際に回収できなければ絵に描いた餅です。

そこで,裁判をする前に,将来の強制執行に備えて,相手方の財産を仮に押えておく必要が出てくる場合があります。

民事保全手続とは,そのような場合に裁判に先だって相手方の財産を仮に押えておく手続のことをいいます。

具体的には,仮差押えと呼ばれる手続が用いられます。これによって,将来,裁判で勝った後に使用者側が財産を隠してしまうことを防止することができます。

この民事保全手続も裁判手続ですので,やはり,保全する必要性があることを説明する必要があります。

また,一定の担保を労働者側で支払っておかなければいけません(ただし,実際に裁判で勝ったときには,その担保は返してもらえます。)。

民事執行手続(強制執行)

労働審判や労働訴訟で勝ったとして,それによって当然に金銭が支払われるわけでもなければ,裁判所が相手方から回収してくれるわけでもありません。

相手方が任意に支払ってくれない場合には,自分で金銭を回収する必要があります。そのための手続が民事執行手続,そのうちでも強制執行と呼ばれる手続です。

強制執行によって,相手方の財産,例えば,不動産,各種の動産,預貯金,売掛金などを差し押さえることができます。そして,その差し押さえた財産から,未払い賃金や残業代などを回収することになります。

先取特権の実行

前記の強制執行は,労働審判が確定したり労働訴訟の判決が確定したりした場合(これらを債務名義といいます。)にはじめて行うことが出来るのが原則です。

しかし,先取特権と呼ばれる担保権がついている債権については,上記のような債務名義がなくても強制執行ができるとされています。

賃金を請求する権利はこの先取特権に該当するとされています。そのため,賃金の請求については,裁判などをしなくても,いきなり強制執行が認められる場合があります。

もっとも,未払い賃金の金額などをかなり詳細に証明できるだけの証拠がある場合でなければ,この先取特権の実行は認められません。要件としてはかなり厳しいのが現状です。

現実的にはかなり難しいのですが,使用者から未払い残業代があることの証明書などを交付してもらう必要があります。

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