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労働基準法の基本

労働契約とは?

労働契約とは,労働者が使用者に使用されて労働し,使用者がこれに対して賃金を支払うことについて,労働者及び使用者が合意することによって成立する契約のことをいいます。ここでは,労働契約とは何かについて,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

労働契約とは?

労働契約法 第6条

労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。

労働契約とは,当事者の一方(労働者)が相手方(使用者)に使用されて労働し,相手方(使用者)がこれに対して賃金を支払うことについて,当事者(労働者及び使用者)が合意することによって成立する契約のことをいいます(労働契約法6条)。

労働契約が成立すると,労働者は使用者に対して労働を提供する義務を負い,他方,使用者は労働者に対して賃金を支払う義務を負うことになります。

したがって,未払い残業代などの賃金を請求するためには,そもそもの前提として,請求の相手方たる使用者・会社との間に「労働契約」が成立していることが必要となるのです。

労働契約の基本原則

労働契約法 第3条

第1項 労働契約は,労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し,又は変更すべきものとする。
第2項 労働契約は,労働者及び使用者が,就業の実態に応じて,均衡を考慮しつつ締結し,又は変更すべきものとする。
第3項 労働契約は,労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し,又は変更すべきものとする。
第4項 労働者及び使用者は,労働契約を遵守するとともに,信義に従い誠実に,権利を行使し,及び義務を履行しなければならない。
第5項 労働者及び使用者は,労働契約に基づく権利の行使に当たっては,それを濫用することがあってはならない。

労働契約は,本来的に対等とはいい難い使用者と労働者との間で締結される契約です。そこで,その不平等を是正するため,労働契約法は,労働契約についてさまざまな制限を設けています。

上記労働契約法3条は,労働契約の規制のうちで最も基本となる原則・指導理念を定めています。

合意の原則(労使対等合意の原則)

労働契約法3条1項は,労働契約は労使間の合意に基づいて締結・変更しなければならないとしています。これを「合意の原則(労使対等合意の原則)」といいます。

この合意原則は,単に形式的な合意が必要であるというだけの意味ではなく,使用者の一方的な決定や強制によって労働契約を締結・変更してはならず,労働者の真意の同意も必要であるという意味を含んでいます。

合意の原則により,労使間の合意に基づかない労働契約は,無効となります。形式的合意があっても,使用者の一方的な決定や強制による場合には,やはりその労働契約は無効となります。

均衡処遇の原則(均衡考慮の原則)

労働契約法3条2項は,労働契約は就業実態に応じて均衡を考慮しつつ締結・変更しなければならないとしています。これを「均衡処遇の原則(均衡考慮の原則)」といいます。

均衡処遇の原則は理念的規定であり,具体的な法律効果を生じるものではありませんが,個々の労働紛争における法的解釈に援用されることはあるでしょう。

仕事と生活の調和への配慮の原則

労働契約法3条3項は,労働契約は仕事と生活の調和にも考慮しつつ締結・変更しなければならないとしています。

いわゆるワーク・ライフ・バランスを尊重しようとするもので,「仕事と生活の調和への配慮の原則」といいます。

この仕事と生活の調和への配慮の原則も,具体的な法律効果を生じるものではありませんが,個々の労働紛争における法的解釈に援用されることはあるでしょう。

信義誠実の原則(信義則)

労働契約法3条4項は,労働者及び使用者は労働契約を遵守し,信義に従い誠実に権利を行使し,義務を履行しなければならないとして,「信義誠実の原則(信義則)」を規定しています。

信義則は,実際の個々の法律解釈の合理的根拠ともなるものです。就業規則の合理的解釈においても重要な意味を有しています。

権利濫用の禁止

労働契約法3条5項は,労働者及び使用者は労働契約に基づく権利行使に当たって,それを濫用することがあってはならないとして,「権利濫用の禁止」を規定しています。

使用者の解雇権・懲戒権・出向命令権については濫用を禁止する個別の規定が設けられているため,上記の権利濫用の禁止規定は,個別規定のない権利の濫用を禁止する一般的規定の位置づけにあります。

労働契約の成立要件

労働契約は,労働者が使用者に使用されて労働し,使用者がこれに対して賃金を支払うことについて,労働者及び使用者が合意することによって成立します(労働契約法6条)。

したがって,労働者が「使用者に使用されて労働すること」を,使用者が「労働者に対して賃金を支払うこと」を合意することが,労働契約の要件です。

労働契約は諾成契約ですので,両当事者の合意があれば成立します。労働契約書を作成せず口頭のみであっても成立するということです。

ただし,口頭のみで契約をしてしまうと,後に労働条件等について争いが生じた場合に,立場の弱い労働者が不利になってしまうことが少なくありません。

そこで,使用者は,労働契約締結に当たり,「労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」とされ(労働基準法15条1項),そのうちでも特に重要な事項については,口頭では足りず,書面を交付しなければならないとされています(労働基準法施行規則5条)。

また,上記重要事項以外の労働条件についても,使用者は,「労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について,労働者の理解を深めるようにするもの」とされ(労働契約法4条1項),また,「労働契約の内容(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)について,できる限り書面により確認するもの」とされています(同条2項)。

労働契約の効果

労働契約が成立すると,労働者および使用者には,労働契約に基づく権利・義務が発生します。

労働者は,基本的な権利義務として,使用者に対して,労働の対価としての賃金を請求する権利を有し,他方,使用者の指揮・命令・監督に従って,使用者のために労働を提供する義務を負うことになります。

使用者は,基本的な権利義務として,労働者から労働の提供を受ける権利を有し,他方,労働者に対して賃金を支払う義務を負うことになります。

また,使用者は,「労働者がその生命,身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう,必要な配慮をする」義務(安全配慮義務)を負っています(労働契約法5条)。

労働契約において各種労働条件が定められていれば,労働者は,その労働条件に従って労働を提供する義務を負うとともに,使用者に対して労働条件を遵守するよう請求する権利を有することになります。

同様に,使用者も,労働条件を遵守する義務を負うとともに,労働者に対して労働条件を遵守するよう請求する権利を有することになります。

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