割増賃金

未払い割増賃金の請求

医師の当直・宿直勤務に残業代等は支払われるか?

勤務医・研修医など医師の宿直・当直勤務時間は,労働時間に該当し,未払い残業代等が支払われるのが原則です。当直・宿直勤務時間中の不活動仮眠時間であっても,当該時間において労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には,労働からの解放が保障されているといえないので使用者の指揮命令下に置かれているものとして,労働時間に該当すると解されています。ただし,労働時間に該当する場合であっても,当該当直・宿直勤務時間が断続的な宿日直勤務に該当し,労働基準監督署長の許可を得ている場合には,残業代や休日割増賃金は支払われないことになります(深夜割増賃金の支払いは必要です。)。もっとも,労働基準監督署長の許可を得ていない場合,または,許可を得ていても,実態が断続的な宿日直勤務に該当しない場合には,残業代や休日割増賃金の支払いを求めることが可能です。

ここでは,医師の宿直・当直・日直勤務に残業代等は支払われるのかについて,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

医師の当直・宿直勤務

医師であっても,使用者によって雇用されている勤務医や研修医の場合,時間外労働をすれば残業代を,休日労働をすれば休日割増賃金を,深夜労働をすれば深夜割増賃金の支払いを求めることができます。

この医師による未払い残業代等請求において大きな問題となるのが,医師の宿直・日直・当直勤務時間です。

当直とは,当番制で宿直または日直することをいいます。宿直とは,当直のうちで所定労働時間外の夜間に事業場等に泊まり込みで勤務することをいい,日直とは,所定労働時間外の日中に事業場内で勤務することをいいます。

医師は,その業務の性質から,所定労働時間内だけ患者の対応をしておけばよいというものではありません。所定労働時間外でも,診療・治療等をしなければならない場合があります。

そのため,医師の勤務については,所定労働時間における労働だけでなく,宿直・日直・当直といった勤務を求められるのが通常です。

医療法においても,「医業を行う病院の管理者は,病院に医師を宿直させなければならない。」とされています(医療法16条本文)。

そこで,これら医師の当直・宿直・日直勤務時間,特に宿直勤務時間に対して残業代等の割増賃金が支払われるのかが問題となることがあります。

>> 医師による未払い残業代等請求

医師の当直・宿直勤務の残業代請求における論点

医師の当直・宿直勤務が時間外労働であれば時間外労働に対する割増賃金(残業代)が,休日労働であれば休日労働に対する割増賃金(休日手当)が,深夜労働であれば深夜労働に対する割増賃金(深夜手当)が支払われるのが原則です。

もっとも,医師の当直・宿直勤務は,医師としての通常の作業とは異なる業務を行っているのが通常でしょう。

また,当直・宿直時間についても割増賃金が支払われるとなると,医師の賃金額が高額であることもあって,使用者側としては大きな負担となることは間違いありません。

そのため,医師の当直・宿直勤務についての未払い残業代等請求においては,使用者側からすんなりと残業代等が支払われるということはまずないでしょう。特に以下の点が争われることになります。

  • 医師の当直・宿直勤務時間は労働時間に該当するか?
  • 医師の当直・宿直勤務時間が労働時間に該当するとしても,断続的な宿日直勤務に当たり労働時間規定等の適用が除外されるのか?

医師の当直・宿直勤務の労働時間性

残業代などの賃金は「労働時間」に対して発生するものです。

したがって,医師の当直・宿直勤務時間に対して残業代等の割増賃金が支払われるためには,そもそも,その当直・宿直勤務時間が労働時間に該当するものでなければなりません。

そこで,医師の当直・宿直勤務時間が労働時間に該当するのかどうかが問題なります。

>> 労働時間性の問題とは?

通常労働を行った時間

当直・宿直勤務時間中であっても,医療行為など通常の労働を行わなければならない場合があります。

この医療行為等通常の労働を行った時間が労働時間に該当することについては,ほとんど争いがないといってよいでしょう。

したがって,当直・宿直勤務時間中に通常労働を行った時間に対しては,残業代・休日割増賃金・深夜割増賃金などの賃金が発生することになります。

当直・宿直勤務時間

前記通常労働を行った時間以外の当直・宿直勤務時間も労働時間に該当するのかどうかは,労働時間とは何かに関わってきます。

この点,労働時間に該当するかどうかについて,最高裁判所は,「労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のもの)32条の労働時間(以下「労働基準法上の労働時間」という。)とは,労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい,右の労働時間に該当するか否かは,労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって,労働契約就業規則,労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではないと解するのが相当である。」と判示しています(三菱重工業長崎造船所事件判決(最一小判平成12年3月9日)

つまり,労働契約や就業規則等の定めに関わらず,客観的に「使用者の指揮命令下に置かれている時間」が労働時間であるということです。

医師の当直・宿直勤務時間は,たしかに,医療行為等の医師としての通常の業務を行っているものとはいえないものの,医師が自主的に宿直を行っていることは通常考えられません。

そうすると,医師の当直・宿直勤務は,使用者からの業務命令に基づくものであり,その勤務時間は「使用者の指揮命令下に置かれている時間」といえるので,労働時間に該当するというべきでしょう。

ただし,自宅等で待機して病院からの呼び出しを受けてから出勤するオンコール当番(いわゆる「宅直」)勤務は,病院に泊まり込む宿直と異なり,労働時間性が否定されるのが一般的とされています。

>> 労働時間性の判断基準とは?

不活動仮眠時間

当直・宿直勤務のうちでも夜間勤務の場合には,当直・宿直勤務時間中に仮眠時間が設けられていることがあります。

この仮眠時間中であっても,実際に業務対応・実作業を行ったのであれば,その時間は労働時間に該当します。

そのような実作業時間を行っていない不活動仮眠時間についても,労働時間とみることができるのかどうかは問題となってきます。

この点,最高裁判所は,「不活動仮眠時間において,労働者が実作業に従事していないというだけでは,使用者の指揮命令下から離脱しているということはできず,当該時間に労働者が労働から離れることを保障されていて初めて,労働者が使用者の指揮命令下に置かれていないものと評価することができる。したがって,不活動仮眠時間であっても労働からの解放が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たるというべきである。そして,当該時間において労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には,労働からの解放が保障されているとはいえず,労働者は使用者の指揮命令下に置かれているというのが相当である。」と判示しています(大星ビル事件判決・最一小判平成14年2月28日)。

したがって,医師の当直・宿直勤務における不活動仮眠時間であっても,「労働者が労働から離れることを保障されていて初めて,労働者が使用者の指揮命令下に置かれていないものと評価することができる」以上,「労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合」は労働からの解放が保障されているとはいえないので,労働時間に該当することになるでしょう。

>> 仮眠時間は労働時間に該当するのか?

医師の当直・宿直勤務における労働時間規定等の適用除外

労働基準法 第41条

この章,第6章及び第6章の2で定める労働時間,休憩及び休日に関する規定は,次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
③ 監視又は断続的労働に従事する者で,使用者が行政官庁の許可を受けたもの

労働基準法施行規則 第23条

使用者は,宿直又は日直の勤務で断続的な業務について,様式第10号によつて,所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合は,これに従事する労働者を,法第32条の規定にかかわらず,使用することができる。

労働基準法41条3号は,労働時間に該当する場合であっても,「監視又は断続的労働」に該当し,かつ,行政官庁(労働基準監督署長)の許可を受けているときには,労働時間・休憩休日の規定は適用されない旨を規定しています。労働基準法規定の適用除外と呼ばれる制度です。

労働時間・休日の規定の適用がされないというのは,要するに,通常であれば時間外労働や休日労働に当たる労働をしたとしても,残業代や休日手当は発生しなくなるということです。

労働基準法施行規則23条は,上記労働基準法41条3号を受けて,「宿直又は日直の勤務で断続的な業務」のうち労働基準監督署長の許可を受けたものについても,労基法規定の適用除外となることを定めています。

したがって,医師の当直・宿直勤務時間についても,それが労働時間に該当するものであったとしても,上記「宿直又は日直の勤務で断続的な業務」に該当する場合は,残業代や休日手当は支払われないということになります。

なお,深夜労働に対する割増賃金は別です。断続的宿日直勤務として認められる場合であっても,深夜割増賃金の支払いは必要です。

>> 労働時間規定等の適用が除外される監視・断続的労働とは?

労働基準監督署長の許可基準

前記のとおり,どのような宿日直勤務でも適用除外となるわけではなく,あくまで,宿日直のうちでも断続的な業務に該当する場合であり,かつ,そのことについて労働基準監督署長の許可を得ていなければなりません。

断続的な宿日直勤務に該当するものとして労働基準監督署長によって許可を受けるためには,以下の一般的基準を満たしている必要があるとされています(昭和22年9月13日発基第17号,昭和63年3月14日基発150号)。

断続的な宿直又は日直勤務の許可基準

規則第23条に基づく断続的な宿直又は日直勤務のもとに,労働基準法上の労働時間,休憩及び休日に関する規定を適用しないこととしたものであるから,その許可は,労働者保護の観点から,厳格な判断のもとに行われるべきものである。宿直又は日直の許可にあたっての基準は概ね次のとおりである。

一 勤務の態様
イ 常態として,ほとんど労働をする必要のない勤務のみを認めるものであり,定時的巡視,緊急の文書又は電話の収受,非常事態に備えての待機等を目的とするものに限って許可するものであること。
ロ 原則として,通常の労働の継続は許可しないこと。したがって始業又は終業時刻に密着した時間帯に,顧客からの電話の収受又は盗難・火災防止を行うものについては,許可しないものであること。

二 宿日直手当
宿直又は日直の勤務に対して相当の手当が支給されることを要し,具体的には,次の基準によること。
イ 宿直勤務1回についての宿直手当(深夜割増賃金を含む。)又は日直勤務1回についての日直手当の最低額は,当該事業所において宿直又は日直の勤務に就くことの予定されている同種の労働者に対して支払われている賃金(法第37条の割増賃金の基礎となる賃金に限る。)の1人1日平均の3分の1を下らないものであること。ただし,同一企業に属する数個の事業場について,一律の基準により宿直又は日直の手当額を定める必要がある場合には,当該事業場の属する企業の全事業場において宿直又は日直の勤務に就くことの予定されている同種の労働者についての1人1日平均額によることができるものであること。
ロ 宿直又は日直勤務の時間が通常の宿直又は日直の時間に比して著しく短いものその他所轄労働基準監督署長が右イの基準によることが著しく困難又は不適当と認めたものについては,その基準にかかわらず許可することができること。

三 宿日直の回数
許可の対象となる宿直又は日直の勤務回数については,宿直勤務については週1回,日直勤務については月1回を限度とすること。ただし,当該事業場に勤務する18歳以上の者で法律上宿直又は日直を行いうるすべてのものに宿直又は日直をさせてもなお不足でありかつ職務の労働密度が薄い場合には,宿直又は日直業務の実態に応じて週1回を超える宿直,月1回を超える日直についても許可して差し支えないこと。

四 その他
宿直勤務については,相当の睡眠設備の設置を条件とするものであること。

上記一般的許可基準のほか,医師の宿日直勤務については,さらに許可基準の細目が設けられています(昭和24年3月22日基発352号,平成11年3月31日基発168号)。※通達の原文引用のため,「看護婦」の用語が用いられています。

医師,看護婦等の宿直

 医師、看護婦等の宿直勤務については,一般の宿直の場合と同様にそれが昼間の通常の労働の継続延長である場合には宿直として許可すべき限りではないことは,昭和22年9月13日附発基第17号通牒に示されている通りであるが,これらのものの宿直についてはその特性に鑑み,取扱いの細目を次のように定めるから,これらによって取扱われたい。
 なお,医療法第16条には「医業を行う病院の管理者は,病院に医師を宿直させなければならぬ」ことが規定されているが,その宿直中本通牒によってその勤務の実態が左記標準に該当すると認められるものについてのみ労働基準法施行規則第23条の許可を与えるようにされたい。

1 医師,看護婦等の宿直勤務については,次に掲げる条件のすべてを充たす場合には,施行規則第23条の許可を与えるよう取り扱うこと。
(1) 通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること。即ち通常の勤務時間終了後もなお,通常の勤務態様が継続している間は,勤務から解放されたとはいえないから,その間は時間外労働として取扱わなければならないこと。
(2) 夜間に従事する業務は,一般の宿直業務以外には,病室の定時巡回,異常患者の医師への報告あるいは少数の要注意患者の定時検脈,検温等特殊の措置を要しない軽度の,又は短時間の業務に限ること。従って下記(二)に掲げるような昼間と同態様の業務は含まれないこと。
(3) 夜間に充分睡眠がとりうること。
(4) 右以外に一般の宿直の許可の際の条件を充たしていること。

2 右によって宿直の許可が与えられた場合,宿直中に,突発的な事故による応急患者の診療又は入院,急患の死亡,出産等があり,或は医師が看護師等に予め命じた処置を行わしめる等昼間と同様態の労働に従事することが稀にあっても,一般的にみて睡眠が充分にとりうるものである限り宿直の許可を取り消すことなく,その時間について法第33条又は第36条第1項による時間外労働の手続きをとらしめ,法第37条の割増賃金を支払わしめる取扱いをすること。従って,宿直のために泊り込む医師,看護婦等の数を宿直の際に担当する患者数との関係あるいは当該病院等に夜間来院する急病患者の発生率との関係等から見て,右の如き昼間と同態様の労働に従事することが常態であるようなものについては,宿直の許可を与える限りではない。例えば大病院等において行われる二交代制,三交代制等による夜間勤務者の如きは少人数を以て右の勤務のすべてを受け持つものであるから宿直の許可を与えることはできないものである。

3 小規模の病院,診療所等においては,医師,看護婦等が,そこに住み込んでいる場合があるが,この場合にはこれを宿直として取り扱う必要はないこと。但し,この場合であっても右(二)に掲げるような業務に従事するときには,法第33条又は法第36条第1項による時間外労働の手続が必要であり,従って第37条の割増賃金を支払わなければならないことはいうまでもない。

医師の宿日直勤務が断続的宿日直勤務として許可を受けるためには,上記の各基準を満たしているものである必要があります。

この行政通達による宿日直勤務の許可基準は,実際の裁判においても,断続的宿日直勤務に該当するか否かの判断における基準として妥当なものであると解されています。

まとめると,医師の宿直勤務が断続的宿日直勤務といえるためには,以下の要件が必要となります。

  • 勤務内容が,常態として,ほとんど労働をする必要のない勤務のみを認めるものであり,定時的巡視,緊急の文書又は電話の収受,非常事態に備えての待機等を目的とするものであり,夜間に従事する業務は,上記の一般の宿直業務以外には,病室の定時巡回,異常患者の医師への報告あるいは少数の要注意患者の定時検脈,検温等特殊の措置を要しない軽度の,又は短時間の業務に限られ,昼間と同態様の業務は含まれないこと。
  • 宿直勤務が,通常の労働の継続(始業又は終業時刻に密着した時間帯に,顧客からの電話の収受又は盗難・火災防止を行うもの)でないこと。
  • 通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること。通常の勤務態様が継続している場合は解放されたとはいえないから,その間は時間外労働として取扱わなければならないこと。
  • 宿日直勤務1回に対して支払われる手当の最低額は,当該事業所において宿直又は日直の勤務に就くことの予定されている同種の労働者に対して支払われている割増賃金基礎賃金の1人1日平均の3分の1を下らないものがであること(ただし,同一企業に属する数個の事業場について,一律の基準により宿直又は日直の手当額を定める必要がある場合には,当該事業場の属する企業の全事業場において宿日直勤務に就くことの予定されている同種の労働者についての1人1日平均額によることができる。また,宿日直勤務の時間が通常の宿日直の時間に比して著しく短いものであるなど上記基準によることが著しく困難又は不適当と認められる場合は除く。)
  • 宿直勤務は週1回,日直勤務は月1回以内であること(ただし,当該事業場に勤務する18歳以上の者で法律上宿日直を行いうるすべてのものに宿日直をさせてもなお不足でありかつ職務の労働密度が薄い場合は除く。)
  • 宿直勤務については,相当の睡眠設備の設置されていること。
  • 夜間に充分睡眠がとりうること(宿直中に,突発的な事故による応急患者の診療又は入院,急患の死亡,出産等があり,或は医師が看護師等に予め命じた処置を行わしめる等昼間と同様態の労働に従事することが稀にある場合には,一般的にみて睡眠が充分にとりうるものであり,時間外労働割増賃金が支払われること。)
  • 宿直のために泊り込む医師,看護婦等の数を宿直の際に担当する患者数との関係あるいは当該病院等に夜間来院する急病患者の発生率との関係等から見て,昼間と同態様の労働に従事することが常態であるようなものでないこと。

>> 断続的な宿日直勤務とは?

労働基準監督署長の許可がない場合

適用除外制度は,労働基準法の重大な例外です。そのため,労働基準監督署長の許可を得た場合にのみ例外を認めるというのが法の趣旨であると考えるべきでしょう。

そこで,適用除外における労働基準監督署長の許可は,適用除外の効力発生要件であると解するのが一般的です。

つまり,労働基準監督署長の許可がない限りは,それが実際には断続的な宿日直勤務に該当するものであっても適用除外の甲かは発生せず,当該宿日直勤務時間に対しては,残業代や休日割増賃金が支払われるべきであるということになります。

したがって,使用者側から断続的な宿日直勤務であり適用除外となるとの反論がされた場合には,まず,労働基準監督署長の許可があるかどうかを確認しなければなりません。

労働基準監督署長の許可がある場合

労働基準監督署長の許可がある場合には,労基法適用除外の効力が発生するのが原則ということになります。

もっとも,労働基準監督署長の許可がある場合であっても,当直・宿直勤務の実態が,断続的宿日直勤務に該当しない(前記の労働基準監督署長の許可基準に違反している)場合には,労働基準法施行規則23条は適用されないと解されています。

したがって,労働者側としては,労働基準監督署長の許可がある場合であっても,実際の労働契約等や勤務内容を具体的に主張・立証して,断続的宿日直勤務に該当しないということを争うことになります。

医師の当直・宿直勤務の残業代請求まとめ

以上のとおり,医師の当直・宿直勤務に対する未払い残業代等請求においては,まず当直・宿直勤務時間の労働時間性が問題となります。

ただし,医師の当直・宿直勤務時間が労働時間に該当することは,不活動仮眠時間を除いて,例外的な事情がない限り,あまり争いはないと思われます。

仮に争われた場合には,自主的に当直・宿直をしていたものではないこと,つまり,使用者からの業務命令に基づいて当直・宿直をしていたことを主張・立証することになるでしょう。

不活動仮眠時間については,その時間中に業務対応をしなければならない業務命令があったことや,人員配置・実際の対応回数等から,業務対応をせざるを得ない状況にあったことを主張・立証することになります。

問題となるのは,やはり断続的宿日直勤務でしょう。

断続的宿日直勤務が使用者側から主張された場合には,まずは労働基準監督署長の許可があるのかどうかを確認します。相手方に許可があることを主張・立証させることになります。

病院の場合,無許可ということはあまりないでしょう。そこで,宿日直勤務の実態が労働基準監督署長の許可基準に該当しないことを主張・立証しなければなりません。

医師の宿日直勤務に対する残業代等請求については,奈良病院事件判決大阪高判平成22年11月16日,大阪高判平成26年12月19日,奈良地方裁判所平成27年2月26日判決等)が参考になります。

>> 医師の宿日直・宅直に関する奈良病院事件判決

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