賃金の支払いについては労働基準法において厳格な原則が定められています。ここでは,そのうちの通貨払いの原則について考えます。
通貨払いの原則とは?
賃金支払いの5原則の1つに,通貨払いの原則があります。この通貨払いの原則とは,文字どおり,賃金は,「通貨」によって支払わなければならないとする原則です(労働基準法第24条第1項)。
通貨とは,強制通用力のある貨幣のことをいい,我が国でいえば,日本銀行券と鋳造貨幣,つまり,日本のお札とコインです。
現物支給とすると,その現物がはたして本当に賃金に見合った価値のあるものなのかどうかが不明確なため,労働者の権利を明確に確保しようという趣旨から,通貨払いが原則とされているのです。
この原則からすれば,いわゆる現物支給は例外となります。そのため,現物支給をするためには,労働協約や労働者の過半数以上を代表する者との間の労働協約による取り決めが必要であるとされています。
ただし,退職金・退職手当については,労働者個人の同意があれば,現物支給による支払いも可能であるとされています。








