マイレージなどのポイントは,法律上,賃金として扱われるのでしょうか?賃金として扱われるならば,労働基準法上の規制を受けることになるため,労働者にとっては重要な問題となってきます。
出張費の賃金性
労働者が出張し,クレジットカードなどを利用した場合に,マイレージなどのポイントが貯まることがあります。 これを賃金として扱うべきか否かについては,まだ定説と呼ばれるものはありません。
まず,前提として出張費が賃金に当たるのかを考える必要があります。
出張費は,使用者が前もって支払う場合にしろ,使用者が直接支払う場合にしろ,あるいは,労働者が立て替えて後に使用者が労働者に支払う場合にしろ,本来的に使用者が負担すべきものです。
労働者が出張費等を立て替えて支払い,その後に使用者から出張費相当額が支払われてたとしても,それは立替金の清算にすぎないということになります。
したがって,労働の対価・対象として支払われるものとはいえないので,出張費は賃金とはいえません。
マイレージなどのポイントの賃金性
では,労働者が自分のクレジットカードなどを使って出張費を立替え,それによって加算されたマイレージなどのポイントは賃金として扱われるのでしょうか?
これについては,そもそもこのポイントは使用者が支払ったものというよりは,そのポイントを付与したクレジットカード会社等が付与するものです。使用者が支払った金銭等とはいえないでしょう。
また,マイレージなどのポイントは,使用者が出張費(又はその立替金)を支払ったことによって,そのカードの使用に対して付与されたものにすぎません。労働者は,そのカード利用によって発生した利益を間接的に享受したものにすぎないといえます。つまり,労働の対償・対価とはして支払われたものではないということです。
そうすると,出張費などの支払いによって加算されたマイレージなどのポイントは,使用者によって支払われたものともいえず,また労働の対価・対象として支払われたものともいえないので,賃金には当たらないと考えるべきでしょう。
マイレージなどのポイントは,賃金ではなく,使用者からの純然たる恩給的な福利厚生費として考えられることができると思います。
したがって,このマイレージなどのポイントを,割増賃金算定の際の所定賃金に加えたりすることはできないということになります。
※なお,上記の解釈には通説・定説でない解釈や私見も含まれています。一部社会保険労務士事務所サイトなどが当サイト本記事を無断転載し,あたかも定説や通説であるかのように公表しているものがありますので,ご注意ください。








