賃金・割増賃金の基礎知識

そもそも,賃金・割増賃金とは何なのでしょうか?

ここでは,まず賃金・割増賃金とは何かについてご説明いたします。

1.5倍以上の残業代支払いが猶予される中小企業とは?

月60時間を超える残業に対しては基礎賃金の1.5倍以上の残業代を支払わなければならないとする規定は,中小企業についてはその適用を猶予されています。ここでは,適用が猶予される中小企業となどのような企業なのかについて考えます。

月60時間を超える残業

使用者に割増賃金の負担を課すことによって,長時間労働を抑制し,労働者のワークライフバランスを図ろうとする趣旨から,月60時間を超える時間外労働に対しては,通常の場合の時間外手当(残業代)の2倍の割増率での時間外手当を支払わなければならないという規定(法第37条第1項ただし書き)が,労働基準法に設けられました。

もっとも,この規定は,中小企業に対してはその適用が猶予されています(法第138条,附則第3条第1項)。

適用が猶予される中小企業の範囲

それでは,上記の1.5倍以上の残業代支払いが猶予される中小企業とは,どのような企業のことをいうのでしょうか?

これについて,労働基準法138条は,「中小事業主(その資本金の額又は出資の総額が3億円(小売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については5000万円,卸売業を主たる事業とする事業主については1億円)以下である事業主及びその常時使用する労働者の数が300人(小売業を主たる事業とする事業主については50人,卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については100人)以下である事業主をいう。)の事業については、当分の間、第37条第1項ただし書の規定は、適用しない。」と規定しています。

つまり,資本金額又は出資総額が3億円以下で,常時使用する労働者の人数が300人以下の企業が,1.5倍以上の残業代支払いが猶予される中小企業に当たるということになります。

ただし,小売業・サービス業・卸売業については,1.5倍以上の残業代支払いが猶予される中小企業の範囲が異なっています。

まず,小売業の場合には,資本金額又は出資総額が5000万円以下で,常時使用する労働者数が50人以下の場合に1.5倍以上の残業代支払いが猶予される中小企業に当たるとされています。

また,サービス業の場合には,資本金額又は出資総額が5000万円以下で,常時使用する労働者数が100人以下の場合に1.5倍以上の残業代支払いが猶予される中小企業に当たるとされています。

卸売業の場合は,資本金額又は出資総額が1億円以下で,常時使用する労働者数が100人以下の場合に1.5倍以上の残業代支払いが猶予される中小企業に当たるとされています。

もっと詳しく!