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賃金の意味・原則

通貨以外の賃金支払いが許される場合(通貨払いの例外)

賃金の支払いについては通貨払いが原則とされていますが,一定の場合には例外が認められています。ここでは,通貨払いの例外が認められるのはどのような場合なのかについて,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

通貨払いの原則とは?

賃金の支払いには,厳格な5つの原則が適用されます。そのうちの1つに「通貨払いの原則」があります。すなわち,通貨払いの原則とは,賃金は通貨で支払われなければならないとする原則のことをいいます。

もっとも,あらゆる場合に通貨払いでなければならないというわけではなく,一定の例外的な場合には通貨以外の方法によって賃金を支払うことも認められています。

>> 賃金の通貨払いの原則とは?

現物支給が許される場合

通貨払いの原則は,そもそもその価値が不明確になりがちな現物支給を排除して労働者の権利を明確にしようという趣旨から設けられている制度です。

その通貨払いの趣旨からすれば,現物支給による賃金支払いは許されないということになります。

しかし,常に許されないというわけではありません。労働者にとっても,現物支給のほうがよいということがないわけではないでしょう。

そこで,例外的に,現物支給を認める労働協約がある場合に限り,現物支給による支払いが許されます。

もっとも,あくまで「労働協約」ですので,労働組合と使用者との間の協約に限られます。労働者の過半数代表者との間の労働協定では,現物支給の取り決めをすることはできません。

銀行振込と通貨払いの原則の関係

給料や残業代などの賃金は,銀行振込の方法によって支払われるのが大半かと思います。

もっとも,銀行振込というのは,法的に言うと,労働者が銀行に対して預金を引き下ろす債権を取得したということですので,現金である通貨を支給されたのとは異なります。

したがって,厳密に言うと,通貨払いの原則に違反する可能性があるのです。

しかし,現在では銀行預金は生活と切り離せないものですし,現金でもらうよりも銀行振込の方が管理しやすく,安全性も高いということもあります。

したがって,銀行振込が通貨払いの原則に違反し許されないと考えるのは,かえって労働者にとって不便となりますし,現実的ではありません。

そこで,労働者の同意がある場合には,銀行振込の方法によって賃金を支払うことも許されるとされています(労働基準法第7条の2第1項)。

また,通常の預金口座以外にも,証券口座に振り込むことも許されるとされています(同条第2項)。

現に,多くの場合,給与等賃金は,通貨現金手渡しではなく,銀行振込の方法がとられています。

外貨による支払い

通貨払いの原則にいう「通貨」とは,日本国内において強制通用力のある貨幣です。つまり,日本銀行券と鋳造貨幣です。

したがって,賃金は,日本の紙幣とコインによって支払われるのが原則となります。ドルやユーロなどによる賃金の支払いは原則として許されないということになります。

もっとも,現在ではグローバル化の社会です。日本国内にも外国人労働者が増加してきていますし,また,日本人であっても,外貨預金などを望むという傾向が高まっています。

したがって,労働者が特に希望する場合には,使用者との間の労働契約によって,外貨による支払いが認められる場合もあると考えるべきでしょう。

小切手等による支払い

手形や小切手などの有価証券は,現金代替物としての性質を有しているため,一般の取引等では決済手段として利用されています。

そこで,これらの有価証券,特に現金代替性の強い小切手で賃金を支払うことが許されるのかということが問題となってきます。

確かに,小切手等は銀行に行って換価することが可能ですので,通貨によって支払うのと異ならないようにも思えます。

しかし,やはり証券です。通貨そのものとは異なりますし,前記の預貯金ほどの確実性もありません。また,労働者に換価の不便をもたらすことにもなります。

そこで,これら小切手等は,「通貨」には当たらず,これらによる賃金支払いは通貨払いの原則に違反すると解されています。

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